クレープの値段の決め方|原価だけで決めない3つの視点

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「いくらにしたら売れるんだろう」「高すぎたら買ってもらえない気がする」――値段を決めるのは、開業準備の中でもいちばん迷うところかもしれません。でも、値段は「安ければ売れる」ものではありません。この記事では、クレープの値段を決めるときの3つの視点と、決め方の手順を、パティシエールの目線でお伝えします。

▶ この記事を読むとわかること

  • 値段を「原価」だけで決めると苦しくなる理由
  • 値段を決める3つの視点(原価・お客様・自分の時間)
  • メニュー表で「選びやすい値段」をつくるコツ

値段は「続けられるかどうか」を決める

値段は、ただの数字ではありません。その値段で、無理なく続けられるかを決める、とても大事な約束です。

理由:安くしすぎると、がんばるほど苦しくなるから

「最初はお客様を増やしたいから、安くしよう」と考える人は多いです。でも、値段が安いと、たくさん売っても手元にお金が残りません。

忙しいのに残らない――これがいちばん心が折れやすいパターンです。そして、一度下げた値段を上げるのは、とても勇気がいります。

視点①原価|まずは「最低ライン」を知る

最初に計算するのは、1枚あたりの材料費(原価)です。生地・クリーム・フルーツ・ソース、そして包み紙まで入れて計算します。

▶ 原価率の計算

原価率(%) = 1枚の材料費 ÷ 売る値段 × 100

例材料費値段原価率
シンプルなバターシュガー80円500円16%
いちごと生クリーム200円750円約27%

※数字はわかりやすくするための例です。材料の仕入れ値や量によって変わります。

飲食店の原価率は一般に30%前後といわれます。クレープは材料が身近なぶん、原価率を低めに安定させやすい食べ物です。

くわしくはクレープ屋って儲かるの?原価率と利益のしくみで解説しています。

視点②お客様|「だれに、どんな時間を届けるか」

同じクレープでも、だれに向けたクレープかで、ちょうどいい値段は変わります。

  • 学校帰りの子どものおやつ:お小遣いで買える、手に取りやすい値段
  • 週末の家族のおでかけ:みんなで選ぶ楽しさがある、ちょっと特別な値段
  • 大人の自分へのごほうび:素材や手間が伝わる、満足感のある値段

どのお客様を大事にしたいかが決まると、メニューも値段も迷いにくくなります。大人に向けた価値のつくり方は、クレープの価値の上げ方でもお話ししています。

視点③自分の時間|「手間」も値段に入れる

見落としがちなのが、自分の時間です。仕込み、焼く時間、片づけ、SNSの投稿――お店の仕事は、焼いている時間だけではありません。

手間のかかるメニュー(フルーツをたくさんカットする、ソースを手づくりするなど)は、そのぶん値段に反映させて大丈夫です。自分の時間を安く見積もらないこと。これが、長く続けるためのコツです。

値段を決める手順と、メニュー表のコツ

  1. 1枚の原価を出す
    包み紙まで入れて計算します。
  2. 大事にしたいお客様を決める
    子ども・家族・大人のごほうび、どこを中心にするか。
  3. 値段の「段」をつくる
    たとえば「定番」「人気」「ごほうび」の3段にすると、選びやすくなります。
  4. 試食してもらって、声を聞く
    家族や友人に「いくらなら買う?」と聞いてみるのも一つの方法です。
  5. 3か月ごとに見直す
    材料の値段は変わります。数字をふり返って、必要なら調整します。
  • メニューは多すぎない:迷うと選べなくなります。最初は少なめから
  • おすすめをひとつ決める:「迷ったらこれ」があると、選ぶ楽しさが増えます
  • トッピングで単価を上げる:アイスやナッツの追加など、選べる楽しさを

値段を決めるとき、だれもが迷うこと

「高いと思われたら、来てもらえないかも」
その不安は自然なものです。大切なのは「高いか安いか」ではなく、「この値段なら納得」と思ってもらえるか。原価・お客様・自分の時間の3つの視点で決めた値段なら、自信を持って出せます。

「近くのお店より高くなったら?」
まわりのお店の値段は、参考にはなります。でも、合わせる必要はありません。素材・手間・お店の雰囲気がちがえば、値段がちがうのは自然なことです。「なぜこの値段なのか」を、メニューやSNSでていねいに伝えていきましょう。

「自分の時給なんて、考えたことがない」
最初はざっくりで大丈夫です。「1日の売上から材料費と経費を引いて、働いた時間で割る」と、自分の時給の目安が見えます。思ったより低いなら、値段かメニューの組み立てを見直すサインです。

よくある質問

オープン記念で、値引きをしてもいいですか?

期間を決めた特典なら、ひとつの方法です。ただし、値引きが当たり前にならないように、「ドリンク1杯サービス」など値段そのものを下げない特典や方法もあります。

材料が値上がりしたら、値段を上げてもいいですか?

続けるために必要なら、値段を見直すのは自然なことです。理由をていねいに伝えれば、わかってくださるお客様は多いものです。

税込と税抜、どちらで書けばいいですか?

お客様に見せる値段は、消費税を含めた「総額」で書くことが決められています。メニュー表やSNSでは税込の値段がわかるようにしましょう。

まとめ|値段は「原価・お客様・自分の時間」で決める

クレープの値段は、原価だけで決めると苦しくなりがちです。原価で最低ラインを知り、お客様の目線で届けたい価値を考え、自分の時間も大切にする。

この3つがそろうと、自信を持って出せる値段になります。

パティシエール監修のPari Paris Crepeでは、原価を考えて設計したメニューをお渡しし、値段の決め方も一緒に考えます。「この値段で大丈夫かな?」

という段階から、LINEでお気軽にお問い合わせください。

平野めぐみ(Megumi)

この記事を書いた人

平野めぐみ(Megumi)|Pari Paris Crepe 代表・パティシエール
カナダのホテル調理専門学校を卒業後、パリのショコラティエで修業、イタリアの5つ星ホテルの厨房を経て、パティスリーを開業。現在はモンブラン専門店・クレープ店を営みながら「小さな商い設計室」として小さなお店の開業を支援をしています。

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